公益社団法人黒部青年会議所2018年度理事長所信

スローガン
「今こそ創り上げろ 自分たちの未来!」

【はじめに】

私たちの父親や母親が社会で活躍し始めたであろう1978年にこの黒部青年会議所が設立されました。当時はインフラ整備が進み富山市への移動が飛躍的に早くなったばかりの時代でした。それから40年の月日が経ち、私たちが暮らす現代では、黒部から富山までの移動が最短12分まで短縮され、東京都内ですら3時間以内に移動でき、本州内の殆どの地域から翌日に宅配が届くほどの物流網が発達し、富山県でも情報や物流の格差は最小限になりました。当時に描かれた未来が数多く実現されている現代は、40年間にわたり築かれてきた豊かな未来の姿であるといえるでしょう。
しかし、新たな問題として、我が日本は先進国の中でも稀に見るほど急速な人口の減少となっています。この影響が私たちの暮らしに直撃し、2010年代後半の今、人材の確保が非常に困難になっています。この人口の減少が都市部にも含めた日本全体の問題であるものの、特に地方都市である私たちの地域では憂慮すべき問題です。その一方、学業等で転出したのちに、学業を修了し黒部に帰ってくる若い世代が増えているといった良い傾向も近年ようやく現れてきました。私たちは引き続きこの黒部で暮らすことのすばらしさや黒部の魅力、そして先代からの想いを継承していく必要があります。
私たちは今、5年、10年先を見据え、愛するこの黒部の未来を創り上げるべく行動することが求められています。先代からの知識や教訓を学び、私たち自身で未来を思い描き、その変化に柔軟に対応することが出来る寛容性と、自身の手で未来を創り出せる独創性を発揮させることが私たちに課された使命ではないでしょうか。

【青年経済人として】

私たちが使命としていることの一つに「明るく豊かな社会の実現」があります。社会に影響を与えるにはまず自分自身を磨かなければなりません。青年会議所は自分を磨くには最適な場所です。青年会議所活動を通して知識と経験を重ねていくことで、自分の所属する会社や組織、社員の家族、そして社会へとより良い影響が広まっていきます。そのためにも全力でこの青年会議所活動に取り組んでいきましょう。
その一方で、青年会議所活動が重荷になってはいけません。大切なことは「楽しむこと」です。苦労の中にも楽しさがなければ人に良い影響を与えることも出来ないでしょう。私たちは楽しさや苦しさを共感し共に高め合えるようメンバー一丸となって活動できる組織を作っていく必要があります。
自身の仕事や家族、経済的な理由など出来ない理由を挙げれば逃げ出すことは簡単です。しかし、私たちは青年経済人です。仕事や家庭に対して背を向けて逃げ出すことは許されないでしょう。青年会議所での姿は鏡のようなもので、自分の会社や家族に対してはしっかりと向き合い立ち向かっているが、青年会議所活動はそれとは別であるといった器用な人には私自身はまだ出会っていません。率先して活動と運動を行い、メンバーを引っ張っていける者ほど、社員からの人望も厚く、会社のリーダーとして活躍されている方が多いように感じます。そういった方に共通して必ずといっていいほど、「今自分は何を目的としているのか」が明確にあります。決して逃げ出さず、青年会議所へは何の目的として行っているのか。何のために役職を受けるのか。誰のために行動しているのか。この目的がはっきりしているほど行動に移るまでの決断も早く、リーダーとして自信に満ち溢れています。そうして「とりあえずやってみよう」から「この目的を達成するために行動しよう」へと変化させてくれるのがこの青年会議所での活動です。そのように自分自身を高めていくためにこの青年会議所を是非活用していただきたいです。この青年会議所の活動においては、失敗を恐れず同じ志をもつ仲間と目的に向かって邁進することが出来ます。仲間たちと共に成功も失敗も分かち合うことで一歩ずつ成長を実感できます。そのためにも、楽しむ事を決して忘れず、目的をもって行動し、未来への夢を紡いでいきましょう。

【まち・ひとの未来を創生しよう】

次世代を担う若者が希望をもって都市部に旅立つことは誇らしいことです。新たな地で学び、出会い、成し遂げるため、毎年多くの若者が転出しています。現在黒部では、18歳~25歳までの年代が学業等のために転出し人口が減少している傾向がある反面、近年においては少しずつではありますが以前よりもUターンする若者が増えています。しかし、今後も黒部に帰ってきたいと思わなければ、10年後20年後、東京などの大都市へと労働人口の流出が加速度的に進んでいくことが予想されています。このような人口の減少は私たちの暮らしに深刻な影響を与えます。地域の産業は衰退し、人と人とのつながりがさらに薄れ、いろいろなものが縮小いくのではないでしょうか。若者たちが住み暮らし、仕事に励み、家庭を築いていく。この未来への受け渡しが途絶えてしまえば今後ますます人口の減少に歯止めがかかりません。
この黒部で住み暮らしてもらうために、私たちも市民と共同してこの誇れる黒部をもっと盛り上げていく必要があります。地域の魅力を見つけ、磨き上げていくことも私たち青年経済人の役目です。普段の生活で当たり前に感じていることも、俯瞰的に見てみることで誇れる輝かしい地域の魅力が見つかることがあります。まず地域の魅力を考え、次世代を担う若者たちに誇りと思ってもらえるように働きかけなければなりません。なぜなら、この黒部で暮らし、職を持ち、家族を育んでもらうことによって人口の減少に歯止めがかかり、魅力と活気があふれる黒部へと発展していくからです。
そして、学業等で地元を離れても、帰ってきたいと思えるような素晴らしい故郷であることを若者たちに伝えていかなければなりません。この黒部の魅力を目で見て肌で感じてもらい、人生の岐路に立った時に帰ってきたいと思えるように活動と運動を行っていきます。この黒部で暮らしたいという意欲を高め、この黒部を次の世代、そして次の世代へと引き継いでいくのは自分たちであることを認識していただくことで、この黒部の未来を担う次の世代の育成に繋がります。

【北方領土は新しいステージへ】

「北方領土は近年ロシア化が進んでいる」よくあるこのマスコミの報道に違和感を覚えます。私自身、2014年に訪問団の団長として訪問し、国後島や色丹島で現地の生活や風土を見たときに「すでにここはロシアになっている」といった表現があっているように感じました。既に現地で暮らす方々は4世代にも及び、戦争の面影も徐々に薄れています。北方領土に日本の面影が無くなってきていることは間違いなく、日露関係も日々変化を続けています。北方領土を日本に返還してほしいという気持ちはもちろん今も変わりません。長きに渡り不等な占拠が続いている中で、ロシアが返還の姿勢を見せてはいるものの、具体的に返還するための行動は何一つ行われておりません。こういった状況に危機感を持ち「北方領土の返還が必要である」との意識をさらに多くの方々にもって頂き、北方領土問題の早期の解決を要求していく必要があると感じます。
もう一つ、近年北方領土に関する経済協力の話が政府間で持ち上がり、上陸に関する規制が緩和されつつあります。しかし、日本以外の国が参画できるような特区を設置する計画が出てくるなど、日本の領土としての主張があまり重視されてきていません。私たちが結束し、日本の領土であると強く主張し続けなければ状況はますます悪化する懸念さえあります。このような問題に立ち向かうために私たちは北方領土の未来を見据え、どのように領土を活用していくのか将来のビジョンを持つことが大切だと考えます。北方領土から引き上げてこられた方々が数多く住まうこの黒部の地で、自国の領土である北方領土の未来をどう創り上げていくのかを議論し、黒部青年会議所として北方領土の未来を描くステージへとシフトすべきではないでしょうか。

【地域に必要とされる人財の育成を】

青年会議所の綱領として「志を同じうするもの、相集い、力を合わせ青年としての英知と勇気と情熱をもって明るい豊かな社会を築き上げよう」とあります。私たちはこの黒部の明るい豊かな社会の実現のために集い、日々活動を行っています。しかし、この青年会議所の志は新しく仲間を迎え、継承していかなければ代々受け継がれてきた想いが途絶えてしまいます。私たちに大切なことは数の利でも資金力でもありません。ただ、脈々と受け継がれ育んできた想いを次の未来に繋ぐには、新しい仲間を迎え継承していくことが必要です。
私たち自身が成長していくためにも、この黒部の明るい豊かな社会の実現という志を持つ仲間と一人でも多く出会うことが大切であると考えます。新しくメンバーを迎えるためにはただ勧誘するだけではなく、私たち一人ひとりがこの青年会議所で得られる価値を自覚し、誇りを持って青年会議所を勧められるように日々の行動を見つめなおし、後輩を迎えうるに恥じない姿になることが大切です。そうして誰からでも尊敬される姿になるべく日々精進してこそ、背中に魅せられた仲間が続いていきます。そして、青年会議所だけではなく、この黒部においても次世代の育成は不可欠です。次世代を育むために、共に助け合い、思いやる心を共有し、感謝の気持ちとやり遂げることの大切さを市民の皆様と分かち合っていただきたいと考えます。何か困難にぶつかっても、分かち合いや助け合いの心があれば、互いを思いやり、協力して打ち勝つことができます。感謝の気持ちで応えることでお互いを尊敬し尊重しあうようにもなるでしょう。次の世代の育成に皆が手を取り合い育んでいくことが黒部の未来を創っていくことにつながります。
新入会員の皆様には最初の一年目から青年会議所活動での達成感と充実感をしっかりと感じ、会社や組織はもちろん、自分の人生においても活かしていただけるよう学びの場として活用していただきます。地域のために活動し、青年会議所の運動を通じ地域を少しでも良い方向に変えていきたい。そういった想いの連鎖こそが未来の黒部をより明るく豊かにしていきます。

【組織の運営について】

円滑な組織の運営には準備が不可欠です。何事もどんなに想いが強くても事前の準備が不足していればより良い仕事はできません。会社や組織においても準備の大切さを先輩から学んでいることと思います。準備8割、実行2割が成功の秘訣であると言われていることからも、しっかりとした準備を行うことで、良い仕事ができます。
青年会議所活動においてもそれは同じで、しっかりとした準備を行う事で、良い結果を残すことができます。準備をはじめとした運営方法を学ぶ事ができ、実践できる場が黒部青年会議所です。このような学びの場を組織として提供し、何事にも準備をしっかり行いながら実行していくことで各種会議を円滑に進め、少しでも事業や例会を練り上げる時間を多く取っていただくことでより良いものに出来るように運営していきたいと考えます。
情報の伝達手段は日々進化しています。その一方で、相手に対して参加をお願いする為に、まずは自分自身の言葉で想いを伝える必要があります。すぐにお会いできないとしても、まずは電話で言葉を伝えることも必要でしょう。会話以外の方法で想いを相手に伝えるには情報伝達の最先端と言われるインターネットでもまだ技術の進化が必要かもしれません。しかし、インターネットを利用することで短時間に情報を得ることや伝えることができ、自分の使える時間を増やすことに役立たせることができます。効率のよい運営のために、インターネットを中心としたコミュニケーションテクノロジーをもっと活用し、活動と運動を行うための時間を創出していただけるように苦手なメンバーにも積極的にトライしていただきます。
市民の皆様への情報発信においてもインターネットは一方的な情報の発信ではなく、相互のコミュニケーションを中心としたSNSなどの活用は今や常識となりました。私たちの情報を発信するためには公式WEBサイトや一つのSNSサービスからの発信ではなく、複数のSNSを使って拡散していくことで様々な世代に効果的な告知が可能となります。よりたくさんの方々に対して発信していくために一つの手法にこだわらず情報発信のためのチャレンジを重ねていきます。

【明るい豊かな社会の実現に向けて】

私たちはお金のためでも、名誉のためでもなく、「修練」「奉仕」「友情」の三信条を掲げ日々地域のために活動と運動を行っています。私たちは社会を取り巻く問題点を見据え、それを解決に導くための目的を持って活動と運動を行う組織です。決して人員の動員や収益にとらわれることなく、愚直に明るい豊かな社会の実現を目指さなければなりません。そのためには常識にとらわれず、柔軟な考えで見直すものは見直し、未来に向かって進まなければなりません。周りを見回せば、この黒部には黒部をもっと良くしたいという志をもった企業や組織がたくさんあります。ものごとは個々で行うよりもたくさんの力が合わせることで、倍以上の大きな力になる可能性を秘めており、私たちの明るい豊かな社会を目指すという目的にも合致しています。今はまだ小さな連携でも未来にはもっと大きな連携になる一歩だと信じてひとつでも多く心を通わせていくことが大切です。私たちと共に力を発揮していただける仲間の輪をひとつでも多く重ねていきましょう。

【結びに】

私たちは活動と運動に集中するあまり自分自身の会社や家族が後回しになるなど、蔑ろにする事は許されません。まずは会社の仲間や自身の家族にも誇れるような活動に終始し、青年会議所での運動を自身の会社や組織の仲間にも誇れるような立ち振る舞いを行うことが絶対に必要です。それ故に、青年会議所活動において家庭の事情や仕事の都合で助けが必要になったとき、皆で手を差し伸べることができる組織でなければいけません。もし困難な状況におかれた時でもメンバー同士で手を差し伸べることで、誰もが平等に成長のチャンスを得ることができる青年会議所の運営を目指したいと考えます。皆で助け合い、励ましあい、時には議論を尽くし切磋琢磨しながらメンバー一丸となって明るい豊かな社会を実現していきましょう。

基本理念

目先にとらわれず大局を見据え、5年10年先の未来を創るため
共に手を差し伸べあい、力の限り行動しよう
輝ける黒部の未来のために

基本方針

1.黒部の魅力の有効活用と、魅力を受け継いでいける次の世代の育成

2.北方領土の未来を考えることで、北方領土問題の解決への意識を醸成させる取り組み

3.黒部青年会議所のメンバーとして誇りを持ち、一丸となって会員拡大を行う

4.効率をよくし、手を取り合いながら、活動と運動に集中して取り組む時間を創出する