2023年度理事長 川端 一徳
はじめに
黒部青年会議所は今年で創立46年目を迎えます。先輩諸兄姉から連綿と受け継がれてきた歴史は大変に尊く、多様に変化する社会においていつの時代も課題解決に使命感を持ち、常に未来を見据え、進化を続けてきました。今という時代を生きる私たちにとっても、その使命は変わることなく受け継がれており、日々、黒部青年会議所にはどんなことが求められているのかを考え活動・運動を行っています。2022年はこれまで悩まされ続けている新型コロナウイルスに加え物価の上昇やエネルギー不足、半導体不足に拍車がかかるなど、我々の生活にも多大な影響を与えました。しかし、暗くなりがちな情勢の中においても、黒部青年会議所は常に明るい豊かな社会を築き上げるという目標を見据え、一つひとつの課題に真剣に向き合っていきます。そして今という時間を楽しみながら活動・運動を展開してまいります。
自己の成長を楽しもう
青年会議所の活動・運動は40歳までと限られています。限られた期間においてこの貴重な時間をどのように使うかが重要です。自身も青年会議所への入会以降、真剣に青年会議所での活動・運動に取り組んできました。初委員長をした際には事業、例会の議案構築の際にやりたいことに対してそこに至る背景や目的といった想いを伝えることができず苦労をしたこともありました。しかし、同じ委員会の仲間が事業、例会にしっかりと向き合ってくれたおかげで、その1年間は様々な活動・運動を充実して行うことができ、当時の仲間との繋がり、体験はこれまでの自分を大きく成長させてくれました。多様な価値観に触れることや物事に真剣に取り組むことによって得られる充実感や達成感は人を大きく成長させます。失敗することを恐れずに何事にもチャレンジし、青年会議所で得られる自己成長の機会を楽しみましょう。
友情を深め組織の活性化を
青年会議所とは青年経済人を主体とした集まりです。多様な業種の会員が集うこの組織において、人それぞれ個性があり、考えが違うのは当然です。今後の運動をより強く、より大きく展開するためにも、会員の交流を深め、絆を更に深めていく必要があります。そのためにはより活発な意見交換をしていかなければなりません。様々な会議の場で時には衝突することもあるでしょう。しかし、青年会議所においての意見とは相手にとってより良い変化を生み出すことを目的としています。意見することに臆せず、仲間と熱い議論を交わし、お互い切磋琢磨しながら成長できる関係を築くことが必要です。そして、信頼関係や絆の深まりは組織の活性化につながり黒部青年会議所の運動を更に押し上げる原動力になると信じています。
故郷黒部へ恩返し
私は生まれ育った黒部が大好きです。だからこそ、この黒部青年会議所へ入会し、明るい豊かな社会を築き上げるために地域へ奉仕することを学んできました。私は、明るい豊かな社会の形成に最も重要な要素はその地に住み暮らす人であると考えます。住み暮らす人びとが幸せを感じ、地域を想う気持ちが生まれ、そして行動を起こすことで地域の発展につながります。この黒部には豊かな土地から形成された大自然や特産物、伝統的な文化等、他にはない黒部特有の魅力が沢山あります。まずはこの地域で生まれ育った我々自身が当たり前にあるこの環境の恩恵を実感し、地域の魅力が何なのかを市民に伝えていきましょう。黒部を愛する人が増えることで黒部に住み続けたいと思う人が増え、人が人を呼び活気と賑わいが生れます。我々が起点となり地域に賑わいをもたらすことで黒部の発展に寄与していきましょう。
対面での人とのつながりを大切にしコミュニケーション能力を育もう
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、人と人とのコミュニケーションに大きな変化を及ぼしました。感染拡大の防止とコミュニケーションの両立を図るために、インターネットを利用した間接的な交流の機会が増加し、人と人との交流における行動様式は今後も変化し続けます。それは子どもたちにとっても例外ではありません。子供たちが社会へ出て人間関係を築いていくうえでは顔を突き合わせた他者とのつながりは必要不可欠だと私は考えます。面と向かった会話の機会の創出は、子どもたちのコミュニケーション能力を強化し、将来子どもたちが社会へ出た時に必ずや役に立つ力となるはずです。子どもたちが人とつながる大切さを学び社会の中で自立して他者との関わり合いを持ちながら生き抜く力を育むことができるよう我々が導いていきましょう。
北方領土問題が解決するその時まで
2022年2月、突如として始まったロシアによるウクライナ侵攻は世界に衝撃を与えました。日本がロシアに対して科した経済制裁への対抗措置として日本を非友好国に指定し北方四島交流事業が停止されるなど北方領土を取り巻く環境はこの短期間でガラリと変わりました。そして、これまで先人たちが築いてこられた両国間の民間交流や政府による平和交渉の先行きが見えない状況になっています。しかし、今までは進展の動きが見えづらく市民の関心がどんどんと低下していると感じていたものが、ここにきて人びとがロシアによる危機を認識したことによって領土問題に対する関心が高まってきているのも事実です。より沢山の方に北方領土問題を知っていただき市民の意識を高め、高齢化が進む元島民の声を風化させることなく若い世代へとつないでいく運動が必要だと考えます。人びとがロシアによる危機を認識した今をチャンスと捉え、自分事としてこの問題に向き合い自由な発想をもって地域を巻き込み、活動・運動を継続してまいりましょう。
拡大と育成の重要性
青年会議所は、全国的に会員数の減少を大きな問題としてとらえていますが、この黒部青年会議所においても会員数が年々減少傾向にあることを踏まえ、会員一人ひとりには強く問題意識を持ってほしいと考えます。しかしながら会員拡大は単に入会者を増やすことが目的ではありません。青年会議所の使命である地域を担う人財を増やすことがその本質であり、拡大を進めると同時に育成の重要性も認識し活動を推し進めなければなりません。我々が掲げる理念への共感、そして結束力、それらが融合することで個々の力、組織の力が最大限発揮され、より活動・運動の質を高めます。伝統ある黒部青年会議所の運動がこの先も続くよう、黒部青年会議所の魅力をしっかりと伝え、志を同じうする仲間を集めましょう。そして会員としての資質向上はもちろんのこと、会員一人ひとりが青年経済人としての誇りを持たなければなりません。本年は私も含めて8名と多くの会員が卒業を迎えます。是非全会員が拡大の意識を持ち続け、魅力あふれる人財が揃う黒部青年会議所を目指しましょう。
黒部青年会議所の魅力をより多くの方へ届けよう
日々変化する時代の中、我々黒部青年会議所は何を地域に発信していくことが必要なのでしょうか。日々の活動・運動を地域や県内外の方々に広く知っていただき黒部青年会議所の存在価値を高めるためには戦略的な広報活動を行う必要があります。我々現代社会人にとってSNSは切っても切れない情報ツールとなりました。また、YouTubeなどの動画配信が広く認知されその再生回数は莫大なものになっており、我々は常にビジュアルコンテンツに囲まれた状態で日々を過ごしています。視聴者は若者だけには留まらず老若男女にまで広がりその広報域は計り知れません。黒部青年会議所においても一昨年よりYouTubeチャンネルを立ち上げ広報活動に力を入れてまいりました。今年度はその流れを引き継ぎ更に力を入れ、我々の活動・運動を積極的に発信し伝播させることで、黒部青年会議所の魅力をより多くの方へ届けましょう。
新たな仲間との出会いを楽しもう
今年度も黒部青年会議所から多くの会員が北陸信越地区協議会、富山ブロック協議会へと出向します。各LOMより集いし新たな仲間もそれぞれ違う考え方を持っており、自分の常識は当たり前では無いかもしれません。多様な考えに触れ、一緒に活動・運動を行うことでLOMに所属しているだけでは得られることのない多くの学びを得ることができます。そして、出向で得られた経験や知識を各々が持ち帰り黒部青年会議所での活動・運動や社業に活かすことでより良い変化をもたらすことができると考えます。また、黒部青年会議所の事業だけではなく富山ブロック協議会や他LOMの事業にも積極的に参画していきましょう。青年会議所は各地に点在し地域の課題解決のために運動を展開しています。他のエリアの事業に積極的に参加していくことで自分自身やひいては黒部青年会議所の力を底上げすることにつながっていきます。本年は例会に地区大会、ブロック大会を設けた意味を今一度理解し、積極的な参画を行い、多くの学びや出会いを通して楽しんでいきましょう。
結びに
「Enjoy」。これが今年度の活動スローガンです。一人でも多くの会員にできるだけ沢山の楽しさややりがいを体感してもらい、自己成長につなげてほしいと考えております。そして青年会議所の活動・運動の中で得られる達成感を享受して欲しいという想いを込めてこのスローガンとさせていただきました。そして、黒部青年会議所に入会し、活動・運動を共にしてきた仲間との出会いは、私にとってこれ以上ない財産となっています。仲間と共に、地域から必要とされる存在であり続ける黒部青年会議所として、1年間笑顔を絶やさず活動・運動をしていきましょう。
スローガン
Enjoy
基本理念
どんな事も楽しみながら笑顔で立ち向かう
基本方針
- 地域に根差し必要とされる黒部青年会議所を目指す取り組み
- 青少年の成長につながる事業の実施
- 市民を巻き込む北方領土事業の実施
- 志を同じうするものを集める会員拡大
- 会員の資質向上を目的とした取り組み
- 青年会議所ファンを増やす情報発信
- LOM以外の事業への積極的な参加
- 円滑な組織運営