2026年度理事長 中西 克友
スローガン
紡ぐ
はじめに
私が黒部青年会議所に入会したのは、創立40周年という節目の年でした。「明るい豊かな社会の実現」というJCの理念は、入会したての私にはまだまだ縁遠い言葉でした。当時私が所属していたアカデミー特別委員会と40周年運営実行委員会では、40周年という年を黒部にとって記憶に残る大きな節目にしようと、先輩方が熱く意見を交わし、事業を創り上げるべく苦心していました。限られた時間のなかでも、多くの会議、準備をこなし、洗練された事業に仕上げようとするその姿はまさに「明るい豊かな社会の実現」をしたい、という強い意思の体現でした。そんな先輩方の姿を目に焼き付け、そしてその影を追ってJCの理念に少しでも近づけるよう、今日までJC活動に邁進してまいりました。
2026年、黒部青年会議所は創立49年を迎えます。この歴史は、諸先輩方が志を連綿と紡ぎ、その時代に沿った運動を展開してきた歴史そのものです。そして2027年、我々は創立50周年という新たな歴史的な節目を迎えます。2026年は受け継がれてきたタスキの重みを感じ取りつつ、それを力に変えて走り切る一年としましょう。次の年にタスキをしっかり受け渡す責務が我々にはあります。
1.未来へ繋ぐ指針の集約
創立50周年という重要な年をいかに迎えるべきでしょうか。2026年は、その指針を全会員で描くための「準備と対話の一年」としたいと考えています。特定の誰かが方針を決めるのでは意味がありません。会員一人ひとりがもつ「黒部青年会議所はこうなっていくべきだ」「黒部の未来のためにこんなことがしたい」という想いにこそ、我々の未来を創るヒントが隠されています。未来の黒部に対する想いを集約しそのうえで、いただいた想いをどのように具現化していくか、皆様と議論する場を設けます。また、この対話の中では、50周年で我々が進むべき道を議論するための重要な材料として今後の黒部青年会議所の組織のあり方やまちづくり、地域人財の育成など、あらゆる選択肢を確認し、広く意見を集めてまいります。
この一年の中で、生まれた無数のアイデアを磨き上げ、それらを50周年に向けた「議論のたたき台」として整理し、次年度へ引き継ぎます。このプロセスそのものが、会員の結束を強固にし、この大きな節目を「全員の周年」として迎えるための最高の準備になると確信しています。
2.「まちづくり」を主体とした継続事業の基盤構築
「まちづくり」とは、単にイベントを行うことではありません。「地域に未来のカタチを提示」し「地域の魅力や活力を高める」ための運動そのものです。この運動は長く続くほど、多くの人を巻き込むことができ、最終的に地域を動かす大きな流れに発展していきます。そのために我々は、地域に根差している課題を深く理解し、地域の方と信頼関係を構築する必要があります。地域の方の協力を得ながら、我々のもてる知識と能力を活用して地域の課題を浮かび上がらせ、地域にとって価値ある運動を提案しなければいけません。
インバウンドという正の側面、人口減少という負の側面が影響し合い、地域の課題には中長期的な目線が求められています。地域の課題にコミットすることで、黒部の価値を高めて未来へつなぐ仕組みづくりは、今後の運動の中心になると考えています。
私はこの一年で、地域に信頼関係を築くために黒部青年会議所の存在をより認識していただく必要があると考えています。地域に根差した運動を構築することこそが、信頼への最短距離であり次の世代へと継承可能な継続事業の基盤となると信じています。そして、その信頼こそが地域からの共感と協力を生み出し、協力の輪を広げ、地域活性化への未来につながります。
3.未来を担う青少年の育成
黒部の未来を考えるうえで、決して欠かすことのできないのが「青少年の育成」です。継続的に実施しているわんぱく相撲は、青少年に「礼儀・礼節」を伝える場として地域から広く認識されています。コロナ危機により大きく落ち込んだ参加者は回復傾向にあります。これは携わってきた会員の努力の結果であると同時に、子どもたちもこのような機会を望んでいるということの証です。我々は、わんぱく相撲を通してより多くの子どもたちに育成の機会を提供するべきであると信じています。子どもたちが本気でぶつかり合い、悔しさに泣きながらも、敗者は自分に勝った相手を応援する姿が見られます。そこには、単なる勝ち負け以上に価値のある経験が凝縮されています。
将来、子ども達が社会に出たとき、素直に相手に向き合うことは重要なマインドとなります。素直に相手を褒め称える、素直に相手を助けてあげる、これは自分だけでなく周囲の人びとにもプラスの影響を与えます。その基本的なマインドを身をもって体験する機会として、わんぱく相撲はあり続けるべきです。
4.会員一人ひとりの成長
我々の活動の質を高めるためには、会員一人ひとりが成長し続けることが必要です。経験豊富な会員が多く卒業していくなかで、青年会議所のあり方や組織運営のいろは、事業構築のノウハウが薄れつつあるのを感じます。だからこそ、我々の活動や運動の羅針盤となるのが、JCプログラムです。ここには、JCI Achieveに代表されるように、我々がなぜこの活動や運動を行うのかという「理念」を、体系的に学ぶための素晴らしい機会が用意されています。このプログラムを積極的に活用し、座学で得た理念を日々の活動のなかで実践し、自らの血肉とすることで、活動は価値をもち、我々自身の成長へとつながります。青年会議所は、自ら手を挙げる者にはチャレンジの機会を与える、懐の大きい組織です。一人ひとりが青年経済人としての誇りをもち、失敗を恐れずに何事にもチャレンジし、自己の成長を楽しめる組織を目指します。
5.「仲間づくり」を核とした会員拡大と情報発信
会員拡大は単なる数合わせが目的ではありません。その本質は、同じ志をもち、共に汗を流せる「仲間づくり」にあります。青年会議所は、「明るい豊かな社会を築き上げる」という理念のもと、事業や例会を構築するなかで、仲間と熱く意見を交わします。新しい仲間がもたらす多様な意見や視点を汲み取り、そうして苦労を共にすることで、連帯感と絆が生まれます。能登半島大震災を思い出してください。青年会議所という同じ旗のもとに集った仲間は、常日頃から協力し合うことで強固な結束を保ち、どんな大きな課題にも迅速かつ的確に取り組んでいける力があります。
どんなに素晴らしい青年会議所の魅力や特徴も、人に伝わらなければ意味がありません。活動から得られる経験や達成感、ときには失敗談から得られる自分自身の生きた気付きを魅力として再構築し、発信する必要があります。この自らの経験と結びつく魅力は十人十色、青年会議所の会員一人ひとりで異なるため、自ら伝えることに意味があります。
また、黒部の人びとにとって黒部青年会議所はどんな団体に見えているのか考えてみると、我々が思うより認知度は低いのではないかと感じています。しかしこの状況は、我々と接点がないだけで、仲間になってくれる人びとがまだ居るということでもあり、チャンスとも捉えることができます。SNSやHPといったツールを積極的に活用し、我々の活動内容が相手に伝わるよう発信し続けることも、仲間を増やすきっかけとなり得ます。
青年会議所の活動は、時には大変なこともありますが、その分たくさんの魅力を秘めているはずです。全員が魅力の発信者となることで、この大きな節目、そしてその先の未来を共に創る新たな仲間を迎え入れましょう。
結びに
今年度、私はスローガンとして「紡ぐ」を掲げます。「紡ぐ」とは単につなぎ合わせることではありません。これまであった糸に新しい糸を撚り合わせて、より強く、鮮やかな色の糸を生み出すことです。先人たちが紡いできた歴史と想いの糸に、我々の歴史と想いの一頁を紡ぎ、より強くなった糸を未来へ引き継いでいく。その重要な結び目に我々は立っています。
創立49年目を迎える我々の役割は、まずはしっかりとバトンを受けとり黒部のために全力疾走することです。そして50周年という記念すべき舞台に向けて、次年度の会員たちに最高の形でバトンを渡すことです。決して楽な道のりではないと思います。しかし、ここにいる仲間と手を取り合えば、どんな困難も乗り越えられると確信しています。一年後、私たちはどのような姿になっているでしょうか。そこにはきっと、会員一人ひとりが自身の成長を確かに実感し、JC活動の楽しさと達成感をわかち合っている姿があるはずです。そして何よりも、「最高の準備ができた」という揺るぎない自信と、仲間への深い信頼に満ちあふれた黒部青年会議所の姿があると私は信じています。共に、黒部青年会議所の未来へ向かって邁進してまいりましょう。
基本方針
1.50周年や未来へ繋ぐ指針の集約
2.継続可能なまちづくりの基盤構築の実施
3.未来を担う青少年育成の実施
4.会員の成長を促す機会の創出
5.「仲間づくり」を核とした会員拡大の推進
6.地域社会に向けた積極的な情報発信の実施
7.会員の結束力を高める組織運営
