2022年度理事長 松田 賢悟

はじめに

 1978年、全国で643番目に設立された青年会議所として、黒部青年会議所は誕生しました。創立45年の節目を迎える今、諸先輩方が創り上げてこられた歴史と伝統を継承し、感謝と敬意を持ち続け、「明るい豊かな社会」の実現のために、歩みを進めていくことが、次代を担う我々の責務だと考えます。昭和、平成、令和と移りゆく時代の中でも、先人は挑戦することを止めず、次代を見据えた運動を展開してきました。JC宣言文が改訂され、青年会議所も変革の時期を迎えております。我々は新たな時代へと進むべく、青年会議所の理念と品格あるJAYCEEの心を大切に、熱い想いを胸にいだき躍動してまいりましょう。

時代に即した青年会議所へ

 2020年から続く新型コロナウイルス感染拡大は社会と経済に深刻な打撃を、そして人々の生活に大きな不安を与えました。当然ながらその影響は青年会議所活動にも降りかかり、条件つきの日常と警戒を余儀なくされることで正解がない問いに対しての答えを模索する日々が続きました。そして2年の月日が経ち、ワクチンの普及やコロナに対してのガイドラインなどが制定されたことで、一定の制限緩和がされつつありますが、我々がこれまで当然のこととして考えていた認識や思想、価値観などについて、大胆に変化していかなければ、青年会議所の活動のみならず、各会員企業そのものの存続すら危ぶまれる時代に差し掛かったと言っても過言ではありません。だからこそ我々は青年経済人としてこの現実を真正面から受け止め“実”のある行動をしていかなければいけません。青年会議所の真価が地域の人々に問われている今だからこそ、新たな価値と変化を力に全員の英知を集結させ、邁進しなければなりません。

成長・発展の機会を使い倒せ

 私は2013年に黒部青年会議所に入会し、9年間多くの経験をさせていただきました。これまでのJCライフを通した学びの中で強く感じたことは、「やってやれないことはない、考え方次第で前向きになれる」ということです。青年会議所を卒業後も活躍されている諸先輩方がその姿で示しているように、「地域を変える、会社を発展させる、家族を幸せにする、夢を叶える」ための主人公は第一に個人であります。

 青年会議所の目的は、「JCI Mission」にもある通り「より良い変化をもたらす力を青年に与えるために、成長・発展の機会を提供すること」であります。青年会議所は次代を担う責任世代の中核となる人づくりをするための学び舎です。志同じくするもの相集い力を合わせつつ、切磋琢磨しながら共に自分づくり・地域づくりに努めていくことで、黒部市の未来は明るいものとなることを確信しています。そのために、私は青年会議所での様々な成長・発展の機会を会員の皆様に使い倒していただけるよう全力で努めてまいります。

今こそまちに賑わいを

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生活様式の実践により、日常生活や経済活動の制限にとどまらず、地域のお祭りやイベントまでもが中止という選択肢を余儀なくされています。地域が活気を取り戻し再び輝くために、行政や各種団体はウィズコロナやアフターコロナの下、感染拡大防止を最優先に考えたイベントやお祭りの開催に向け試行錯誤を重ねています。新しい活性化の形を模索する地域、そして不安を抱える市民にとって、今こそ私たち青年会議所が道を指し示す光となるべきだと考えます。時代が変化する中でも、私たちがこのまちに関心をもてる場を提供し続けることで、郷土愛が溢れるきっかけとなります。そのためには行政や各種団体の方々と構築してきたパートナーシップをより強固なものとすることが必要不可欠です。まちに賑わいを取り戻したい気持ちは黒部に住み暮らす、人々すべての願いであります。それを実現するために、地域の多様な個性や魅力を引き出す架け橋となり、市民、行政、他団体と連携を図り、多くの方々から共感を得る運動を展開していきましょう。

青少年の健全育成のために

 インターネットやスマートフォンの普及に伴い、昔と比べて地域コミュニティが希薄になり、子供たちが地域の人々と触れ合う機会が減少しました。子供のころに多くの人と関わりを持つ経験は、自己肯定感や意欲、コミュニケーション能力を育む上で非常に効果的であり、感情豊かで思いやりにあふれる人財への成長を促します。そのために我々ができることは何かを考え、学校や家庭などの日常生活では成し遂げることのできない貴重な体験を通して、何ごとにも前向きに挑戦する心、困難に立ち向かい乗り越える力を身につける機会を作り、子供たちの健全育成に取り組んでまいりましょう。

黒部だからできる北方領土問題への取り組み

 黒部青年会議所は創立以来、毎年継続して北方領土問題に対し、様々な運動を展開してきました。これまでは食に関するものや、パネル展示での啓発活動、出前講座など、毎年様々な工夫を凝らして行っています。私が2016年に北方領土委員長を任された際に、元島民の方々と対談する機会がありました。対談の終わりに「解決は難しいかもしれないけど、今の若者達にこのような悲劇があったことを忘れないでほしい。」と言われました。私はこの言葉こそが今の我々が北方領土問題に取り組むための大事な要素なのではないかと考えます。青年会議所は、返還要求運動はできますがそこに注力していてはいけません。元島民の方々の高齢化が進む中、次代を担う若い世代への関心を喚起することが重要であると考え、本質と求められていることは何かをしっかりと見極め、時代の変化やニーズにも敏感に対応できる柔軟な発想と行動力で活動・運動を行ってまいります。また、近年の北方領土に関する例会や事業に関して市民の参加があまり積極的ではないという状況をふまえ、市民にとって身近なツールを活用することで北方領土問題を知ってもらうための間口を広げるなど、取り組み方も変化させていくことが重要であると考えます。

 北方領土から引き揚げてきた富山県出身者の数は1,425名にのぼります。そのうちの6割にあたる835名が黒部市出身という特色を活かし、黒部だからできること、黒部でしかできないことを今一度考え、新たな視点を持って挑戦していきましょう。

リーダーとして

 JCでは単年度制という特色がある中で、かつて自分が経験した役職に仲間が就いたときにフォローができる点を長所であると考えています。かつての自身の姿を他者に重ね合わせた時に、必ず自身の成長が実感でき、そして相手の成長を願うことができるからです。己の利益を追求するリーダーに人々はついてきません。仲間のためにと純粋に想い行動する姿勢が大切であると考えます。そのために私たちは目的に向かって切磋琢磨し互いを思いやり、助け合って活動を行っていくことが必要です。入会するきっかけや理由は人それぞれ異なりますが、ひたむきに活動に励む中で、仲間を想う気持ちと行動が生まれ、それが仲間と知恵を出し合うことに繋がり、見返りを求めることのないまちに対する奉仕の想いへと発展します。JCは待っていても何も得ることはできません。相手のことを想い行動できる力は、自分だけの視点に留まらない多角的な視点を生み出します。自分自身の、仲間の、そしてまちの未来を見据えて、新しい時代を切り拓いていきましょう。

全員会員拡大へ

 全国青年会議所のメンバー数は減少傾向にあり約6万7千人をピークに現在では約3万2千人となっています。我々黒部青年会議所の会員数においても私が入会した2013年の約半数となっていることから、拡大は早急の事案であると共に、拡大の担当委員会だけではなく全員での主体的な拡大活動が必要となっています。しかし、今の黒部青年会議所においては特定の会員のみでの拡大活動が続き、思ったような成果が出せていません。そこで本年は、会員拡大を最重要課題と捉え取り組まなければならないと考えます。なぜ会員拡大を行うのか。組織の存続、運営のためと短絡的な視点に留まらず、私たちの運動を広く展開するために必要な活動と認識しなければなりません。会員拡大において私が最も必要だと考えるのは、相手の幸せを思う気持ちであります。青年会議所の活動や運動に真剣に取り組むことは、仕事や自分の成長ため等、JC以外のフィールドにおいて必ずやプラスとなるとの認識があれば、相手の人生のために入会してもらうという意識を持つことができるはずです。ただやみくもに勧誘を行うのではなく、青年会議所が自分にとって必要な存在ということを理解した上で行動していきましょう。そのためにも会員には今一度、自分自身の行動に真剣に向き合い取り組んでほしいと考えます。

「青年会議所は魅力的な団体です。」

 この言葉を全会員が言えたとき自ずと人は集まります。その理想を現実にするために、一人ひとりが主役となれる拡大活動に挑戦していきましょう。

情報発信を通して成長しよう

 SNSの目覚ましい普及により、これまで以上に情報発信が容易に行えるようになり、黒部青年会議所においても時代に即したツールを活用して情報発信に努めてきました。しかし地域での知名度は高くなく、その存在がまだまだ周知されていない上、発信する情報の内容も、活動を報告するだけの発信が多く、受け手の心を掴む魅力的な情報を継続的に発信できてない現状があると考えます。我々の運動は、地域の協力なくして効果を最大限に発揮できません。であるならば、地域や社会を巻き込み、多くの人に運動の目的や趣旨を知っていただける、情報発信をしなければなりません。黒部青年会議所は、常に新たな価値観を取り入れこれまでアップデートを繰り返してきました。情報発信においてもその気概をもち挑戦的な取り組みをしていくことで青年会議所として、更には会員一人ひとりが効果的な情報発信とは何かをつかみ取っていただきたいと考えます。

新たな機会の創出

 会員が成長できる機会の一つに出向があります。別の地域の大小様々な青年会議所の会員と活動していくことは、今までとは全く違った人間関係を築くことができます。また、出向先での活動期間は黒部青年会議所よりも短いものになっていますし、委員会の開催も距離的な制約から回数は限られています。その中で運動を構築し、結果を出さなければならないので、活動や事業のスピードはLOMよりもずっと速いものになります。そのスピード感を体験することは、今後の活動に活かせるものになるでしょう。このように出向した個人が成長することはもちろんですが、出向した経験をLOMの会員に伝えることで、組織としても成長することができます。しかし、現在の黒部青年会議所会員を見ると自主的に出向する会員は少ないという現実があります。出向の決断をするのは容易なことではありませんが、私自身が出向の機会をいただいた際には、多くの出会いや、黒部だけではできない大規模な事業に携わることができ自分のレベルを底上げすることができました。そしてその一年をやり抜くことができた背景には、当時の理事長やLOMメンバーの支えがあったからこそだと強く感じました。今年度も黒部から多くの出向者を輩出し成長の機会を創出すると同時に、彼らの勇気にこたえるべく、私は全力をもって出向者の皆様を支えていきます。

結びに

 40歳までの限られた時間の中で過ごす青年会議所において、一番の失敗は「挑戦しないこと」です。挑戦を続けていく中では、初めて取り組むことも多くあるでしょう。うまくいかないこともあるでしょう。時に、歯を食いしばりながら活動をしなければならない場面もあるでしょう。しかし、失敗を恐れず大いに挑戦しましょう。失敗の中から一つでも学ぶことがあり、その学びを次に活かすことができれば、それはもう失敗ではありません。小さくてもかまいません。自らの心を奮い立たせ、今こそ挑戦者たる気概をもちましょう。

JCに費やす全ての時間はあなたを成長させる糧となります。

試練や失敗という経験はあなたの力となります。

その力は家族の幸せや、自社の発展に必ずや繋がることでしょう。

JCでしかできないこと、JCだからできることに挑戦しましょう。

笑顔溢れる黒部を創り上げるために,共に駆け抜けてまいりましょう。

スローガン

挑戦者たれ

基本理念

青年経済人として勇気ある行動をし地域にとって輝く存在となれ

基本方針

1 行政や他団体と連携を図り賑わいのあるまちづくりの実施

2 黒部でしかできない北方領土問題解決に対しての取り組み

3 誰かのために行動することができるリーダーの育成

4 メンバー全員が当事者としての自覚と責任をもって行う会員拡大

5 新たなツールを活用した情報発信を通してJCの魅力を波及させる取り組み

6 LOM以外の事業等への積極的な協働参加

7 例会・事業等が円滑に行われるために支援する組織運営